写真はイメージです
ある日、Aさんがご夫婦でご来店。
ご本人は言葉も少なく、声にも力がなく、「気」が足りていないような印象。
「最近ほとんど食べられなくて…」と、奥様が心配そうに話してくださいました。
初回はよくお話を伺い丁寧にビワ温灸を。
お腹や背中をじんわりと温めていくと、次第にAさんの表情がゆるみ、
最後には「なんだか、あったかいですね」と小さく微笑まれました。
それから数回通っていただくうちに——
食欲が少しずつ戻り、「昨日はお粥を食べましたよ」と笑って報告してくださったり、
「今日は自分から行くって言ったんですよ」と、奥様も驚かれていたり。
体が整ってくると、心にもエネルギーが戻ってくる。
ビワ温灸は、そんな“目に見えない回復力”を引き出してくれるんだな、と私自身も改めて感じました。
元気になるって、派手な変化じゃなくていい。
「ちょっと食べられた」「今日は起きていたい気分だった」
——そんな小さな一歩が、確かにAさんを支えていました。
梅雨時期は湿度の影響で「脾(ひ)」の働きが弱まり、消化吸収の力が落ちやすくなります。
胃の重だるさや食欲の低下は、そのサインかもしれません。
ビワ温灸の温熱刺激は、自律神経を整えながら「脾」を助け、内臓の働きを穏やかに後押しします。
季節に負けない身体を、内側から育てていきましょう。